優れた芸と教養を身に付けた由緒ある金沢芸妓
金沢には江戸時代から続く「ひがし」「にし」「主計町(かずえまち)」の3つの茶屋街があります。日中は金沢屈指の観光スポットとして賑わう茶屋街も、あたりが夕闇に包まれると花街らしい艶めいた雰囲気へと一変。それぞれの茶屋街には、お茶屋に所属する芸妓がいて、お座敷で磨き上げた芸を披露します。金沢では芸者や芸子ではなく、芸妓(げいぎ)と呼び、伎芸と教養を併せ持つ洗練された女性という意味が込められています。
金沢らしいもてなしの心を受け継いできた金沢芸妓は芸のレベルが高いことでも有名です。前日のお座敷がどんなに遅くても、翌朝から師匠のもとに通い、踊りや三味線、太鼓、鼓、笛などの稽古に励むそう。金沢の芸妓はデビュー前に金沢市長のもとを訪れ挨拶するのが慣例となっていることからも、伝統芸能を修めた金沢芸妓は金沢市の大切な財産として認識されているといえるでしょう。
芸妓と会うには、お茶屋のお座敷に呼ぶのが王道ですが、そこには「一見さんお断り」というしきたりが存在。芸妓のいるお茶屋には、常連の紹介でしか入れないシステムであり、一般の人にはなかなか難しそうですね。そこで、金沢伝統の茶屋文化をより多くの人に知ってもらいたいとお茶屋と芸妓の特別のはからいで実現したのが、「金沢芸妓のほんものの芸にふれる旅」です。
金沢ではもっとも規模が大きい茶屋街、ひがし茶屋街
芸妓の数がもっとも多いにし茶屋街。写真は芸の稽古場でもある検番
主計町茶屋街。右の建物が芸の稽古場でもある検番