2019.04.20

金沢からひと足のばして、街歩きが楽しい山代温泉へ

金沢からひと足のばして、街歩きが楽しい山代温泉へ

金沢駅から直行バスで約1時間

金沢駅から特急電車と路線バスで約50分、加賀ゆのさと特急バスだと約1時間、北陸随一の規模を誇る温泉街があります。開湯1300年の山代温泉は、湯の曲輪と呼ばれる源泉周辺に宿が集まり、客室数が20以下の和風宿から200室ほどの大型旅館まで多彩な宿が並びます。 またこの地は、日本の代表的な色絵磁器九谷焼の里としても知られ、九谷焼の体験施設や九谷焼のショップほか、陶芸を極めた北大路魯山人ゆかりの施設もあります。温泉玉子を利用したグルメや山代温泉ならではのみやげも揃い、楽しみ方はさまざま。散策に訪れてみませんか。 山代温泉で訪れたいスポット10選をご紹介します。

薬王院温泉寺【やくおういんおんせんじ】

朱塗りの本殿が美しい薬王院温泉寺は、山代温泉の守護神として街を見守っています。境内奥に小高い丘へと続く遊歩道があり、高台には薬王院五輪塔が鎮座。これは、平安時代に温泉寺の住職を務めた明覚上人の供養塔(国指定重要文化財)で、明覚上人はアイウエオの五十音の創始者だそうです。供養塔に続く遊歩道は「アイウエオの小径」と呼ばれています。境内の拝観や散策は自由。

総湯・古総湯【そうゆ・こそうゆ】

温泉街中央に位置する共同浴場のことを総湯と呼びます。山代には2つあり、総湯は銭湯形式でだれでも気軽に利用できる浴場です。一方古総湯は、明治期に建てられた総湯を当時のままに再現したもので、ステンドグラスや拭き漆壁板、九谷焼タイルなど、見事な装飾が施されています。ただ当時に習い、カランやシャワーもなく石けん類も使用禁止です。
●総湯入浴440円、古総湯入浴500円(総湯との共通券700円)、6時~22時、無休

魯山人寓居跡いろは草案【ろさんじんぐうきょあといろはそうあん】

篆刻家であり書道家、美食家でもあった北大路魯山人が、無名時代に滞在していた住居跡を公開。宿の看板などを彫って生計を立てていた魯山人は、この住居で宿の主人らと交流を深めました。すぐ近くには九谷焼窯元があり、その初代須田菁華から陶芸のてほどきを受け、この地で陶芸のおもしろさにのめり込んだといわれます。館内には魯山人の作品も展示されています。
●入館500円、9時~16時30分、水曜休(祝日の場合は開館)

九谷焼窯址跡展示館【くたにやきかまあとてんじかん】

九谷焼の前身である古九谷が途絶えておよそ100年後、この山代温泉で九谷焼が再興されました。展示館では文政9年(1826)~昭和5年(1940)まで使用されていた国指定史跡の登り窯跡を整備して公開。築200年以上を経た古民家では、九谷五彩の本格的な和絵具を使った絵付け体験2000円~や、蹴ろくろ3000円~の体験が可能です。
●入館310円、9時~16時30分、火曜休(祝日の場合は開館)

はづちを楽堂【はづちをがくどう】

古総湯のすぐそば、池を配した敷地内に瀟洒な木造の長屋風建物がはづちを楽堂です。温泉街の活性化のために造られた施設で、和喫茶の「はづちを茶店」と九谷焼や山中漆器など加賀のみやげを扱う「丹塗り屋」などがあります。はづちを茶店の名物、はづちを野菜カレー880円やはづ団子630円、加賀パフェなどで、温泉街散策の疲れを癒やすのもいいですね。
●9時30分~18時(冬期は~17時)、水曜休(祝日の場合は営業)

窯元九谷美陶園【かまもとくたにびとうえん】

大正3年(1914)創業の九谷焼専門店。当初は白生地に九谷焼の絵付けを施し販売していましたが、昭和中期からは手挽きによる生地造りを始め、全工程を制作するようになった工房です。店内には、九谷五彩で描かれたカラフルな器や、魯山人写しの食器類、手びねり感が楽しい生活雑器などが並び、見ているだけでも楽しくなります。
●9時~17時、無休

うつわ蔵【うつわぐら】

水がこんこんと湧き出る女生水のすぐそばにある、器のセレクトショップ。老舗旅館の「あらや滔々庵」が手がけており、明治時代の土蔵を利用した店内には九谷焼や山中漆器など、選び抜いた作家や職人の作品を展示販売しています。宿と親交が深かったという北大路魯山人の写しも並び、興味深いものばかりです。
●9時~17時30分(13時30分~15時30分は不在の場合あり)、木曜休

割烹加賀【かっぽうかが】

山代温泉にある地元の人が通う食事処で、旬の食材を丹精込めて調理する姿勢が好評です。加賀市が展開する加賀カニごはんの加盟店であり、メスのズワイガニの香箱ガニを使ったご当地グルメを通年食べることができます。加賀カニごはん1950円のメインは石焼きカニめしで、1杯目はそのまま、2杯目は薬味とともに、最後にカニだしを注いで食べます。
●11時~13時30分LO/17時~22時LO、火曜休

べんがらや

山代の温泉旅館「葉渡莉」直営のカフェ&ギャラリー&ショップ。九谷焼や山中ろくろの技術を応用した器など、県内外のクラフト作品を展示販売。個展などのイベントも開催しています。カフェでは地元野菜や地元魚介などを使うメニューがおすすめで、温泉玉子がのった加賀パフェ880円や山海の幸と温泉玉子のやましろ温泉丼1390円などが人気。
●10時~17時30分(ランチは11時~15時)、水曜

御菓子処しもつね【おかしどころしもつね】

温泉通り商店街に位置。旅館御用達であり地元の人が贔屓にするお菓子屋で、創業以来100年を経た今でも毎朝丁寧につくる朝生菓子に定評があります。店の名物豆大福108円(売切れ終了)や山代温泉のシンボル、八咫烏をイメージした銘菓烏のゆかり1個113円をはじめ、5代目が古総湯のステンドグラスをモチーフに考案した山代五彩1箱720円などがみやげに好評です。
●8時~19時30分、火曜休




 

加賀エリアの作品も多数揃う、現代の工芸に触れられるショップ。

加賀エリアは、山中塗りや九谷焼など、豊かな工芸の文化を持っています。伝統的なスタイルのものも魅力ですが、工芸も日々進化をしています。新しい、現代の工芸の魅力に触れたい方は、金沢市のひがし茶屋街にあるこの2つのお店をのぞいてみてください。「金澤しつらえ」は、人間国宝から新進気鋭の作家まで、現代の工芸シーンをリードする最高峰の作品を揃える本格的なギャラリー・ショップです。また、「美かざり あさの」は”かわいい”をテーマに、女性目線で日常使いできる品々を扱う、カジュアルな工芸セレクトショップです。いずれも、現代の工芸の魅力を存分に感じられるお店です。

金澤しつらえ
金沢市東山1-13-24
TEL:076-251-8899

かなざわ 美かざり あさの
金沢市東山1-8-3
TEL:076-251-8911

※写真にある作品はすべて一品もののため店頭にない場合もございます。