2018.10.05

日本海で水揚げされるピチピチ魚介~金沢の鮮魚~

日本海で水揚げされるピチピチ魚介~金沢の鮮魚~

金沢で食べられる魚ってどんなの?

周囲をぐるっと日本海に囲まれる能登半島を抱える石川県。金沢市の近江町市場には、能登から直接届く魚や金沢港に水揚げされる魚介のほか全国各地からも届き、鮮魚の種類も豊富に並びます。金沢港では早朝と昼の2回のセリが行われ、日本国内ですしの外食費が常に上位にランクインされる金沢の食材を支えています。金沢は魚を扱う料理店も多く、料理人のレベルの高さがさらに消費を引き上げています。

石川の漁業の漁法は、定置網、底曳き、まき網、刺し網、いか釣りなど多彩な方法で行われていますが、7・8月のみ底曳き漁が禁漁となり夏は魚の種類が若干少なくなります。

- 季節の主な魚 -
【春】サヨリ・メバル・マダイ・サワラ・カレイ・メギス・イイダコ・メギス・イワシ・ハチメなど
【夏】アジ・コゾクラ・フクラギ・岩ガキ・トビウオ・サザエ・アオリイカなど
【秋】甘エビ・ノドグロ・サバ・ウマヅラハギ・ホウボウ・ガスエビ・カマス・アオリイカ・カレイなど
【冬】加能ガニ・香箱ガニ・寒ブリ・タラ・ハタハタ・ヒラメ・アンコウ・能登かき・コッペ、能登ナマコなど

石川・金沢の鮮魚 12選

金沢で消費される魚は、飲食店で使われる魚と家庭で食べられる魚は種類が異なることも多く、それらを取りまぜて紹介いたします。

【寒ブリ】 旬:12月中旬~2月下旬
ブリは出世魚として知られ、金沢では、コゾクラ→フクラギ→ガンド→ブリと名前を変えて大きくなっていきます。とくに脂がのるころのブリは寒ブリと称され、12月上旬、「ブリ起こし」と呼ばれる雷鳴とともに北陸沿岸に回遊してきます。寒ブリは10㎏を超えると値段も跳ね上がるため、大漁旗を掲げて港に入る漁師たちは満面の笑み。寒ブリは刺身はもちろん、ぶりしゃぶ、照り焼き、カマ焼き、ぶり大根など、料理店はもちろん一般家庭でもよく食べられています。

【加能ガニ・香箱ガニ】 旬:11月6日~3月20日のみ漁解禁
石川県のズワイガニは、加能ガニ(オス)と呼ばれ青タグを付けてブランド化されています。メスは香箱ガニとよばれ、漁期は短く11月6日~12月末まで。カニが揚がる石川の主な漁港は、蛸島、輪島、富来、金沢、橋立とまんべんなく点在。沖合約10㎞の水深200~400mに棲息しています。料理店では加能ガニも香箱ガニも出されますが、一般家庭では値段の手ごろな香箱ガニが主体。塩ゆでしてプチプチした外子や真っ赤で香ばしい内子、足身などをほぐし、酢醤油または三杯酢で味わいます。

【甘エビ】 旬:10月~3月
正式名を「ホッコクアカエビ」といい、寿命は11年以上。生まれた当初はオスでありながら、5年前後からメスに変化するという不思議な生態系をもっています。能登半島の沖合に棲息し、ほぼ通年市場に出回っていますが、産卵期の晩秋から初冬にかけて身がぷっくり。食べればねっとり絡みつくような甘みが口中に広がります。飲食店では刺身が多いですが、家庭では殻ごと煮たり、味噌汁などにも使います。甘エビの頭には濃厚なミソがあり、ミソのみを集めて軍艦巻きで提供している寿し店もあります。

【能登かき・岩ガキ】 旬:12月~3月
石川はカキ(マガキ)の養殖が盛んでこれは能登かきと呼ばれています。一方、天然もののカキも育っており、こちらは岩ガキと呼ばれています。能登かきは、エサとなるプランクトンが豊富な能登半島の七尾西湾で養殖され、冬場が旬。広島の2年ものに対しこちらは1年もので出荷。小ぶりながら味が濃いのが特徴です。夏が旬の岩ガキは日本海の深い場所に棲息し、海が荒れない夏に漁を行っています。能登かきとの違いはその大きさで、能登かきの4倍はありそう。身はぷっくりでクリーミィな濃厚な味わいです。

【ノドグロ】 旬:9月~12月
上品な脂がのった白身魚の高級魚。正式名は「アカムツ」といい、口の中やエラのあたりが黒いことからノドグロと呼ばれています。以前の金沢ではそんなに食べられている魚ではなかったのですが、プロテニス選手が「ノドグロを食べたい」と発言したことから一躍有名に。北陸新幹線の開業以来、観光客に爆発的な人気となり、地物のノドグロが一時期近江町市場から消える騒ぎに(笑)。実は金沢の一般家庭ではほとんど消費されていないのですが、飲食店にとっては欠かせない人気の魚です。

【マダイ】 旬:12月~5月
マダイは産卵期を迎えた春が脂ののりもよく、淡いピンク色をしていることから「サクラダイ」とも呼ばれます。この色は、マダイがエビなどを好んで食べるからで、エビの殻にある色素がカラダを桜色にしているそうです。マダイは目出度い魚としても知られていますが、金沢では結婚式の料理として登場。マダイのお腹におからを詰めて蒸しあげる「鯛の唐蒸し」で、切腹を連想させないために背開きにし、雌雄2匹を腹合わせにして盛り付けて子孫繁栄を願うなど、昔ながらの風習が受け継がれています。

【カレイ】 旬:通年
金沢の一般家庭で、ひんぱんに食べられる魚料理の上位に入るのがカレイです。春のアカガレイに始まり、ナメタガレイ(ヒレグロ)、クチボソ(マガレイ)、ササガレイ(ヤナギムシガレイ)、ネジラガレイ(シタビラメ)など数多くの種類があり、どのカレイも好まれています。各家庭では、近江町市場やスーパーマーケットで新鮮なカレイを買い求め、ほとんどが煮つけにされて食卓にのぼります。産卵の時期を迎える冬場は、子持ちのメスガレイが格別の美味しさになります。

【タラ】 旬:12月上旬~2月下旬
冬の鍋には欠かせない魚、タラ。金沢で食べられるタラは、マダラとスケトウダラの2種類で、どちらももっとも美味しくなる産卵期に能登半島沿岸に近づくため、たくさんのタラが漁獲されます。タラは捨てるところがほとんどない魚といわれ、飲食店でも一般家庭でも、冬の食卓には重宝します。食べ方もさまざまで、タラの刺身にタラの真子をまぶしたタラの子付け、真子の煮つけ、オスの精巣・白子はダダミと呼ばれ生で酢の物や天ぷらなどに。日持ちのする棒ダラやすき身ダラなどバリエーション豊か。

【メギス】 旬:5月~10月
キスに似ていることからニギス、金沢ではメギスと呼ばれる魚ですが、まったくキスとは別物。国内での漁獲高は石川が1位であり、ほぼ通年出回り値段も安価。金沢の一般家庭ではよく食べられる魚の一つです。メギスは身がやわらかく鮮度が落ちやすいのですが、金沢では比較的鮮度の良いものが手に入り、家庭では煮つけにされることが多いようです。白身でクセがなく食べやすい魚です。またメギスは栄養価が高くDHAが多く含まれるそうで、近年注目を集めています。

【コッペ】 旬:11月~3月
コッペとは、エイのヒレのこと。金沢市内のスーパーマーケットでは、食べる大きさに切って生で販売されています。金沢の家庭では普通に食べられており、醤油、みりん、酒で煮付けるのが一般的。中華料理で食べられるエイヒレのカタチですが、生のエイヒレは皮が茶色でゴム系の肌。煮付けるとさっぱりとクセもなく、白身でカレイのようです。ゼラチン質と軟骨なので、コリコリとした食感がクセになります。飲食店では唐揚げで提供する店もあり、コリコリの新感覚が楽しめます。

【イワシ】 旬:3月~6月
イワシには、マイワシ、カタクチイワシ、ウルメイワシなどがありますが、一般的にイワシと言えばマイワシを指します。通年流通する魚ですが、以前はまとまって多く捕れたこともあり大衆魚でした。しかし、近年は不良続きで高級魚になりかけましたが(笑)、また今は漁獲高が増えているようです。回遊魚は10~30年周期で通り道を変えることがあるといい、その時期だったのでしょうか。新鮮なイワシの刺身は甘くトロットしています。塩焼きや煮魚のほか、すり身だんごにして味噌汁やおでんダネにも。

【ハチメ】 旬:3月~6月
大きなお目々がかわいいメバルの仲間を、金沢ではハチメ(八目)と呼びます。目が大きく張り出しているという見た目から名づけられたものですが、淡白な旨みをもった白身魚で身離れもよく食べやすいのが特徴。ヤナギバチメやアカラバチメ、チャバチメ、クロバチメなどがいます。金沢では飲食店でも家庭でも煮付けや塩焼きで食べられることが多く、新鮮なものなら刺身でもいけます。ちなみにハチメは目の病に効くといわれ、能登では「あえのこと」の行事で神様にお供えされています。

 

箔一各店では、北陸の食文化を体感する提案も行っています。

金沢箔を扱う「箔一」では、北陸の食文化を一層愉しむ提案を行っています。「氷見店」では、北陸の地酒を幅広く品ぞろえしているほか、ともに楽しめる工芸品の酒器も提案しています。また、北陸ならではの金箔を食べる文化を体感していただきたいと、本店箔巧館、東山店、兼六園店、香林坊アトリオ店にて金箔ソフトをお楽しみいただけます。金沢や氷見に訪れる際にはぜひお立ち寄りください。

金箔ソフトについて
■取扱店
箔一本店 箔巧館
箔一 東山店
箔一 兼六園店
箔一 香林坊アトリオ店


氷見店
氷見市北大町25-5 ひみ番屋街 東の番屋
TEL/0766-54-0891