2018.03.05

きらびやかな食文化が育んだ極上寿司～百万石の鮨～

金沢の寿司は全国トップレベル

金沢を訪れたら、ぜひ味わいたいのが寿司。全国から食通たちが通う名店から、地元で愛される老舗、新進気鋭の新店まで、ハイレベルな寿司店がしのぎを削ります。では金沢の寿司はなぜ旨いのか、その理由を探ってみましょう。

まずひとつが食材に恵まれていること。三方を日本海に囲まれた石川県沖は暖流と寒流が交わる豊かな漁場。富山湾に面した波も穏やかな内浦、砂泥域が広がる加賀沖など、変化に富んだ環境から多種多様な魚介が水揚げされます。また、霊峰白山の伏流水に恵まれた米の産地でもあります。

藩政時代から食文化や手仕事への意識が高い土地柄であることも理由のひとつ。加賀百万石の文化の中で、寿司職人は技やもてなしの心を磨き続けてきました。さらに忘れてはいけないのが、金沢人が無類の寿司好きであること。総務省の家計調査によると、金沢市の寿し外食費は常に全国1位か2位にランクイン。舌が肥えた金沢の人々を満足させるべく、寿司職人たちは切磋琢磨してきたのです。

※タイトル部、店内写真は葵寿し

寿し店が仕入れに通う近江町市場

近江町市場は魚の種類が豊富

百万石の鮨で金沢の旬を味わう

金沢を中心に石川県内26の寿司店では、旬の地物ネタをふんだんに盛り込んだ特選10貫セット「百万石の鮨」を提供しています。全店舗3,800円の統一価格なので観光客も安心。ノドグロや香箱がに、ブリ、甘エビなど石川ならではの新鮮ネタを心ゆくまで満喫できます。特選10貫の中には、職人技とこだわりを凝縮させた、親父の一貫も。店ごとにプライドをかけた渾身の一貫が楽しみです。金沢駅西口から徒歩5分の「葵寿し」は、創業以来やがて50年。吟味したネタはもちろんのこと、シャリは金沢山間地のコシヒカリ、醤油は地元大野のオリジナル、塩は能登の天然塩とこだわりは人一倍です。店主の馳さんは金沢市料理名工を受賞しています。兼六園やひがし茶屋街にほど近い幸兵衛寿司は、地物を中心に、その時期一番おいしい魚介を吟味して仕入れます。シャリは能登産コシヒカリを沸騰した昆布だしで炊き上げ、寿司酢は金沢の米酢とリンゴ酢を独自ブレンド。九谷焼の器を使うなど、金沢らしい風情も堪能させてくれます。