2018.02.20

山里に静謐な時を重ねてきた、能舞台のある深谷温泉・元湯石屋

山里に静謐な時を重ねてきた、能舞台のある深谷温泉・元湯石屋

加賀藩ゆかりの由緒ある琥珀色の湯

深谷温泉は金沢北部の山間にあり、創業は寛政元年(1789)。加賀藩年寄役(他藩でいう家老職のこと)の前田土佐守が深谷の湯で病を治したことから、藩士や町人なども利用できるように加賀藩が温泉場を整備。その昔は、口ノ湯、中ノ湯、元湯の3つの宿がありましたが、現在は元湯のみが残っています。

元湯石屋の源泉は、琥珀色の湯色と滑らかな湯触りを特徴とするモール泉です。植物由来の有機物や天然の保湿成分などを豊富に含み、美肌の湯と称えられてきました。この名湯を求め、竹久夢二、近衛文麿、北大路魯山人などあまたの文人墨客が訪れたそうです。なかでも内閣総理大臣や外務大臣など要職を歴任した近衛文麿は元湯石屋の湯を非常に気に入り、「霊泉」と揮毫し、源泉を樽に詰めて京都の自宅へ運ばせたという記録が残っています。

深谷温泉元湯石屋

能舞台や美術品など古色蒼然たる姿

元湯石屋が誇るのは、その優れた泉質だけではありません。本格的な能舞台、200年以上の時を刻んだゆかしい佇まい、そして山里の静けさが宿の自慢です。
「空から謡が降る」といわれたほど能が盛んな金沢において、石屋6代目の二左衛門は加賀宝生流を愛で、大正6年(1917)、孫の誕生を記念して造らせたのが総檜造りの能舞台です。現在も年に一度、薪能が行われます。宿の建築も素晴らしく、江戸期築造の土蔵を改装した高級客室や、江戸時代の豪商の別荘を移築した客間など、随所に伝統の香りが立ち上ります。徳川11代将軍家斉のご息女・溶姫の嫁入りの化粧道具をはじめ、さまざまな美術品のコレクションも展示されています。 古き良き時代の佇まいに加え、山里の雰囲気も素敵なおもてなし。ちなみに、元湯石屋は「ミシュランガイド富山・石川2016特別版」の旅館部門で三つ星を獲得しています。

元湯石屋能舞台

深谷温泉 元湯石屋

ふかたにおんせん もとゆいしや
TEL:076-258-2133
住所:石川県金沢市深谷町チ95
宿泊料:平日1室2名で利用の場合 一人15,120円~

元湯石屋