2018.02.05

石川の美術・工芸を深く知る~石川県立美術館~

石川の美術・工芸を深く知る~石川県立美術館~

美術工芸の盛んな石川・金沢

石川・金沢は江戸時代から美術工芸のレベルが高く、作家活動も盛んです。石川県立美術館は昭和34年(1959)に開館し、昭和58年(1983)、現在地に移転オープン。平成20年にリニューアルしています。 収蔵品は、加賀藩前田家伝来の優れた文化財や古美術品をはじめ、古九谷や九谷焼、加賀蒔絵などの伝統工芸品、油彩画、彫刻、日本画などがあります。収蔵品のコレクション展示室は2階の1~6展示室で、テーマ別に1~2カ月ごとに入れ替えています。1階は企画展示室で7~9があり、国内外の展覧会を意欲的に開催しています。見どころには、第1展示室の『色絵雉香炉』(野々村仁清作)で、17世紀の作とされています。ほぼ等身大の雉の形をした香炉であり、昭和26年(1951)には国宝に指定されています。また、第2展示室の世界的に評価の高い古九谷の色絵磁器も、足を止めてじっくり鑑賞したい作品です。

石川県立美術館

展示室

野々村仁清

色絵雉香炉(野々村仁清作)

石川県立美術館

加賀藩前田家伝来の文化財

併設のカフェや、文化財保存修復工房も

石川県立美術館内には、石川県七尾市出身のパティシエ、辻口博啓氏のカフェ「ルミュゼドゥアッシュKANAZAWA」が併設されています。美術鑑賞のあとはスイーツとドリンクでゆっくりひと休みするのもいいですね。ミュージアムショップでは、九谷焼や加賀友禅、水引細工、加賀繡、牛首紬などの伝統工芸品グッズも展示販売。手仕事のよさが伝わるお気に入りをみやげにいかがでしょうか。

また、隣接して、石川県立美術館「広坂別館」があり、その中には石川県文化財保存修復工房があります。貴重な文化財の傷みなどを修復するもので、漆工芸や掛軸、古文書、表具などを手がけており、その様子をガラス窓越しに見学(見学無料)することも可能です。毎年恒例の寒糊炊きの行事も要チェック。糊は文化財の修復に欠かせない大切なもので、大寒を過ぎた1月下旬に行われています。

ミュゼドアッシュ

ミュゼドゥアッシュKANAZAWAで人気のケーキ

広坂別館

広坂別館には石川県文化財保存修復工房を併設

修復工房

古文書などの修復作業を見学できる

石川県立美術館

いしかわけんりつびじゅつかん
TEL:076-231-7580
住所:石川県金沢市出羽町2-1
開館時間:9時30分~18時(入館は~17時30分)
休日:展示替え期間、年末年始
入館料:コレクション展 一般360円、企画展は展覧会により異なる