街なか、台地、山裾と個性豊かな寺院群を歩く
金沢城の整備を終えると、3代藩主利常(としつね)は城下のまちづくりに着手しました。その際、当時勢力があった一向宗(浄土真宗)寺院はそのままの場所に、そのほかの宗派の寺院は「寺町」「小立野」「卯辰山」に集められ、3つの寺院群が形成されました。城下への南北の入口となる要所に寺院群を配することで外的の侵入を防ぎ、さらには一向宗寺院をけん制するための軍事防衛的な役割があったのです。 現在も約70の寺院が集まる寺町寺院群をはじめ、台地に広がる小立野寺院群、山裾の道沿いに散在する卯辰山麓寺院がそれぞれの趣で藩政時代の名残りを伝えています。武家屋敷街や茶屋街とはまた違った「城下町金沢」を探しに、足を延ばしてみませんか。※写真は小立野寺院群の宝円寺(11月16日撮影)。