加賀百万石の礎を築いた前田利家
金沢の歴史は天正11年(1583)、戦国時代の武将前田利家の金沢入城から始まったといっても過言ではありません。それほど加賀藩前田家は金沢はもとより、石川県民に深く愛されてきました。 それ以前の金沢といえば、弘仁14年(823)に越前国から分割され加賀国となりましたが、決して栄えていたとはいいがたいものでした。戦国時代に入ると「百姓のもちたる国」として、本願寺門徒の農民が90年も支配するという全国でも珍しい地域でしたが、織田信長によって終焉を迎えます。 加賀藩祖である前田利家は、尾張国(愛知県)生まれ。青年時代は血気盛んで「傾奇者(かぶきもの)」と呼ばれ、一方では槍の名手としても知られています。織田信長直属の部隊・赤母衣衆(あかほろしゅう)の筆頭として手柄をたて、金沢城に入城。2代藩主利長の時代には、120万石の大藩へと発展していったのです。