金沢箔の製造過程や箔の性質などを学ぼう
金沢の代表的な伝統工芸である金箔工芸は、初代加賀藩主・前田利家をはじめ、代々藩主が豊かな財力を注いで奨励・保護されてきました。そもそもの金沢箔の始まりは定かではありませんが、文禄2年(1593)、豊臣秀吉の朝鮮出兵の折、利家が肥前名護屋の陣中から金銀箔打ちの命を出したという記録が残されています。その後、京都から優秀な指導者を招くなど、400年以上を経てなお、全国でも群を抜く1万分の1mmという極薄の製箔技術を保持しています。
その金沢で名工と謳われた故・安江孝明氏は「金箔職人の誇りとその証」を後世に残したいと、私財を投じて金箔工芸館を建設。収集した美術品や道具類を展示するほか、金箔の性質や金箔製造過程を紹介し、金箔が織りなす多彩な美の世界を体感することができる金箔専門博物館を開館。施設はその後金沢市に寄贈され、平成22年(2010)に現在地に移転。町家の蔵をイメージした建物に一新したのが現在の金沢市立安江金箔工芸館です。
金箔の製造過程や箔の性質などを分かりやすく展示
金箔がふんだんに使われる金沢仏壇の展示と映像コーナー