金沢駅から約6km、レトロな港町
コンテナ船やタンカーなどが接岸する金沢港を抱える金沢の北西、日本海沿いに位置するエリア。海上交通の要所としてかつては北前船の寄港地で、加賀藩の財政を支える勢いの交易があったそうで、金石(かないわ)では豪商といわれた銭屋五兵衛が活躍。金石の港から荷揚げした荷物を、金沢城に運ぶ道路(県道17号)は金石往還とも呼ばれていました。
また金石と隣同士の大野(おおの)も北前船の交易で栄えており、和歌山県紀州の醤油づくりの影響を受け、醤油や味噌づくりが盛んに行われてきました。今では、千葉県の野田・銚子、兵庫県の龍野、香川県の小豆島と並び、醤油の五大産地のひとつに数えられています。
2つのエリアともに、昔ながらの港町独特の狭い道路や入り組んだ路地、板塀の町家が連なるなど、ノスタルジックな雰囲気が漂います。最近では古民家や醤油蔵などを利用したカフェやショップなど新規店が続々と開業。2020年には金沢港クルーズターミナルがオープンし、現在では北前船ではなく豪華客船が次々に寄港しています。金沢市の公共シェサイクル「まちのり」ポートも2カ所設置されているので、潮風とともに海沿いの港町をじっくり巡ってみませんか。