2025.09.24

地元っ子も通う、人気観光地のおすすめグルメ4選

地元っ子も通う、人気観光地のおすすめグルメ4選

金沢人も食べに行く観光地、茶屋街の美食

平成6年の石川県への観光客入り込み数はおよそ1886万人といわれ、その半数以上が金沢市への訪問といわれています(※石川県の統計HPによる)。年々外国人も増えている金沢の中でも、古い町並みが残る「ひがし」、「主計町」、「にし」の3つの茶屋街は大賑わい。そんな中、金沢人が以前から愛してやまない地元グルメも点在しており、観光客が少ない平日などに出かける人も少なくありません。

今回は地元の人が利用している魅力たっぷりのジモティーオシグルメを紹介。町家風情あふれる店ばかりなので、城下町金沢の情緒もたっぷり堪能できますよ。


【ひがし茶屋街】
町家を改装したフレンチ「東山ロベールデュマ」

シェフの岩城さんは20代半ばでフランスに渡り、アルザスやブルゴーニュのミシュラン三ツ星店で修業を積み、その経験を十分に生かした料理が評判です。最初は寺町に店を構え、泉ヶ丘へ、そして現在の東山へと移転して12年。地元ファンは、岩城シェフの味を求めて、所変われど足繁く通っています。

東山の店舗はひがし茶屋街メイン通りの1本北の通り、築100年以上のお茶屋建築をリノベーションしたフレンチビストロです。1階はカウンターとテーブル席、2階には個室(要予約)もあります。

料理は、地元農家から仕入れる加賀野菜や金沢港などから揚がる日本海の魚介が主体。ディナーにはフランス直輸入のフォアグラやカモなどの食材もフル活用し、シェフ渾身の一皿に仕上げていきます。ペアリングを希望すれば、料理に合わせたワインを選んでくれますよ。

⚫︎ランチコース5500円~、ディナーコース1万円~、グラスワイン1000円~。

鱈の白子のムニエルとアンディーブのサラダ

能登本マグロ、自家製スモークサーモン、車海老の鮮魚のカルパッチョ盛り合わせ

甘鯛の鱗付き焼き白ワインソース仕立て

10席あるカウンターではシェフと会話をしながら楽しいひとときを

テーブルは2つ、ほかに2階和室にテーブル個室あり(要予約)

ベンガラ塗りの出格子に薄紫ののれんがかかる情緒ある外観

東山ロベールデュマ・ひがしやまろべーるでゅま

TEL : 076-254-0909
住所 : 石川県金沢市東山1-13-9
時間 : 11時30分~13時LI、18時~20時LI
休日 : 月曜(祝日の場合は翌日)
駐車場 : なし


【ひがし茶屋街】
風にそよぐ見返り柳のたもと「茶房 やなぎ庵」

金沢の金箔メーカー箔一が、地元の伝統工芸品とその作家や職人の応援と活躍を願い開いたショップ「金澤しつらえ」。その2階にあるのが茶房やなぎ庵です。築200年以上の茶屋建築を生かした和モダンな建物で、店名は建物の前に立つしなやかな見返り柳の木から命名されました。店内は、座敷や金沢芸妓が芸を披露する間など、お茶屋当時の面影も残る和空間。カフェへと続く渡り廊下は金箔を施したガラス素材でつくられ、フォトスポットに最適。テーブルの下に敷いてあるじゅうたんは、浅野川で行われていた花火をイメージしたという幾何学模様が粋です。

さて、お待ちかねのスイーツのご紹介。ダントツ一番人気は金沢を象徴するかのような、金箔あんみつ1600円。ソフトクリームに惜しげもなく金箔1枚をまとわせたもので、国産寒天や甘さをおさえた粒あん、むっちり食感のわらび餅などが花を添え、金沢らしい魅力が満載の逸品です。また茶の湯が盛んな金沢といえばやはりお抹茶。抹茶づくしは、外国人にも評判のメニュー。上林金沢茶舗の上質な抹茶を使う、和風ティラミスがおすすめです。ほかにも季節限定が用意され、秋に登場する、渋栗モンブランの星の輝きは見逃せませんね!

テーブルに運ばれてすぐ、スタッフが紙の間から金箔をおもむろに取り出し、ソフトクリームにまとわせて完成するという「金箔あんみつ」。シャッターチャンスをお見逃しなく!

定番メニューの「抹茶づくし」1800円は、外国人の注目を集める一品。濃厚マスカルポーネクリームとほろ苦い抹茶との相性ぴったり!

秋限定の「渋栗モンブランの星の輝き」1800円。自家製マロンクリームと渋皮栗の濃厚モンブランの組合せがグッド。モンブラン好きのハートをわしづかみ♡

金箔が敷き詰められた渡り廊下。重厚な土蔵の扉も見渡せる

近世のお茶屋の様式を伝える建物は金沢市指定保存建造物

風にゆれる柳の木が目印。ベンガラ塗りの格子が艶やかだ

茶房 やなぎ庵・さぼう やなぎあん

TEL : 076-251-8899
住所 : 石川県金沢市東山1-13-24
時間 : 10時~16時30分LO
休日 : 木曜(祝日の場合は営業)
駐車場 : なし


【主計町茶屋街】
浅野川河畔に佇む「鮨 むかい川」

ゆるやかな流れを見せる浅野川のほとり、主計町茶屋街に店を構える寿司店。町家の良さを生かしたままリノベーションし、茶屋街の風情ある景観になじむ外観。こぢんまりした店舗2階に、カウンター4席、テーブル8席の12席を用意。静かな雰囲気で食事を楽しむことができます。 店主の向川さんは金沢の人気寿司店、鮨処あいじから独立し4年目を迎えます。あいじの大将の丁寧な手仕事をきっちり学んでおり、決して手抜きをせずに、真摯に鮨と向き合って握り続けています。ノドグロの蒸し寿司しかり、寿司に添えるのはショウガのガリではなく、キュウリやダイコン、ニンジンの彩りのいい野菜の浅漬けというのも、あいじから受け継いでいます。 鮮度の高いネタとシャリとのバランスも絶妙で、少し細長い小ぶりで食べやすいにぎりと口の中で絶妙に調和。煮切り、塩、柚などで味わう繊細なにぎりとスタッフの細かい気配りもここち良く、評判の高い一軒です。土・日曜のみ営業の昼は、にぎり10貫と味噌汁が付くおまかせ5000円~。夜は突き出し、刺身盛り合わせ、蒸し寿司、にぎりで1万2000円~。昼夜とも要予約。

昼のおまかせにぎり10貫の一例。野菜の浅漬けはあいじ流

やわらかで上質の脂がクセになるノドグロの蒸し寿司

その日によって異なる突き出し。取材日はサンマのみぞれ和え

カウンター席は4席。リズム感よくにぎる主人の所作が快い

2階からはゆるやかに流れる浅野川が見下ろせる

明治初期の建物を利用。夜の主計町は情緒たっぷり

主計町 鮨 むかい川・かぞえまちすしむかいがわ

TEL : 080-9781-9988
住所 : 石川県金沢市主計町3-6
時間 : 12時~14時(昼は土・日曜のみ営業)、18時~21時
休日 : 水曜、ほか不定休あり
駐車場 : なし


【にし茶屋街】
落雁の老舗が手がける甘味処「西茶屋菓寮 味和以」

金沢の3つの茶屋街には合わせて約40名の芸妓が活躍していますが、そのなかでもっとも芸妓の数が多いにし茶屋街。約100mの通り1本のみの小さな町並みですが、出格子や犬走りなどが連なり風情たっぷりです。ひがし茶屋街から離れているため、観光客も少なく穴場ですよ。 そんな通りにあるのが、嘉永2年(1849)創業、和菓子の老舗「落雁諸江屋」がプロデュースする西茶屋菓寮 味和以です。季節や花鳥風月をモチーフにした風雅な落雁で知られる名店の直営店になります。 店舗の前部分はショップ、奥には自慢の餡などを使う和甘味の喫茶があり、店内からは坪庭が望めます。金沢は茶の湯が盛んであることや、おもてなしに和菓子を用意したり、結婚式の引き出物に使われたり、仏壇に供えたりなど、和菓子必須の暮らしが営まれていて、どの家庭も贔屓の和菓子店をもっているほど。もちろん落雁諸江屋にも多くのファンがいます。こちらの喫茶で和菓子と抹茶を味わい、ゆったりとした時間を過ごす金沢市民も多いのですよ。おすすめは、10月~5月限定の能登大納言ぜんざい♪

能登半島で育つ小豆を炊きあげたぜんざいに、テーブルの火鉢で餅を焼いてのせる、能登大納言ぜんざい1000円

抹茶好きには、季節の上生菓子と抹茶のセット950円

愛らしい落雁のお菓子を、粋なミニタンスにしのばせた、わびタンス1188円~はショップで

金沢の正月の縁起菓子、久寿玉(くすだま)。中から和三盆の落雁や砂糖菓子などがぞろぞろと。お正月前後に販売

窓から庭を眺めて優雅な時間を過ごせる

 

西茶屋菓寮 味和以・にしちゃやかりょう あじわい

TEL : 076-244-2424
住所 : 石川県金沢市野町2-26-1
時間 : 9時30分~17時
休日 : 火曜(祝日の場合は営業)
駐車場 : 8台