2022.06.06

金沢から~白山麓へプチドライブ~

金沢から~白山麓へプチドライブ~

霊峰白山の自然と癒しを求めて

富士山、立山と並んで日本三霊山に数えられる、名峰・白山の麓に広がるエリア。標高2702mの白山は古くから信仰の聖地として崇められ、かつては禅定道と呼ばれるルートを通り多くの修験者が山頂を目指しました。白山の雪解け水が日本海へと注ぐ手取川の急峻な流れが手取峡谷の美しい景観をつくりだし、峡谷の周辺には歴史を守り継ぐ小さな集落が点在しています。 今回はそんな癒しの風景に包まれた緑濃い白山麓をプチドライブ。人々が信仰する神社仏閣を訪ね、峡谷美を堪能し、古い町並みを歩き、白山麓名物のそば・豆腐を味わい、〆には温泉でゆっくりという欲張りなコースです。

金沢発で楽しむ白山麓ドライブ

今回のコース、金沢駅出発で時間を組んでみました。 金沢駅9:25 → 10:00金劍宮10:25 → 10:30白山比咩神社11:00 → 11:30そば処花川12:10 →  12:20手取峡谷・綿ヶ滝13:00 → 13:45白峰の町並み散策14:10 → 14:10林西寺14:40 → 14:50菜さい → 15:30白峰温泉総湯

1. 金劍宮(きんけんぐう)

旧鶴来町の町名の由来ともなった神社で、創建は紀元前95年とされています。金運アップの神社として全国的に知れ渡るようになったのは、20年ほど前。ある会社の創業者が、お金に関連することならこの神社をお参りするといい、と著書に記したのがきっかけです。その後も大企業の社長や芸能人などが訪れたため、さらにブレークしました。金劍宮の境内には本殿だけでなく摂社がいくつかあり、金運の神様とされているのが本殿の左横に鎮座する「乙剣社」です。ほかにも恵比寿神社や金刀比羅社などが鎮座し、何かと御利益がありそうです。
●白山市鶴来日詰町巳28 tel.076-272-0131

2. 白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)

地元から「しらやまさん」と呼ばれ親しまれている神社で、全国に点在する白山神社約3000社の総本宮です。縁結びの神様としても有名ですが、かつてはご祭神に女の神様・菊理媛尊(くくりひめのみこと)が祀られていることからカップルは神様に嫉妬されるなんて笑い話しもありました。いえいえ、現在は菊理媛尊のほかに伊弉諾尊と伊弉冉尊の男性の神様がともに祭神として祀られていますのでご心配なく。参拝は表参道から入るのがおすすめです。老杉やケヤキなどの大樹に覆われ荘厳で、いかにも神域といった雰囲気。霊峰白山がご神体であり、白山の御前峰頂上に奥宮があります。
●白山市三宮町ニ105-1 tel.076-272-0680

3. そば処 花川

平坦な土地が少ない白山麓は米よりもそばの栽培が盛んで、秋にはそばの白い花が一面に咲くことでも有名です。そして当然、地元産そば粉を使った蕎麦処も多く点在しています。ここ花川はなかでも筆者のおすすめ。集落内の普通の民家をそのまま利用した家庭的な店で、そばを注文するとまず手作りのお通しが登場。〆にはそばがゆもいただけるのです。そばは、せいろ1,000円のほか、おろしや山菜、きのこなどがあります。ほかにも、そばの実の芯を使う御膳そば1,200円は1日15食の限定、そしてこちらも限定の炭を練り込んだ黒いそば、おすみ花1,200円(写真)も人気です。
●白山吉野ウ17 tel.076-255-5007 /11:00~16:00(売り切れ次第終了)/木曜休(祝日は営業)

4. 手取峡谷・綿ヶ滝

そば処花川のすぐ近くに手取川に架かる不老橋があり、ここから眺める峡谷美がおすすめです。手取川中流域の手取峡谷は、高さ20〜30mの絶壁が続く絶景域です。橋のたもとには不老橋パーキングがあるので利用すると便利。見終わったら次は綿ヶ滝へ。車で橋を渡り、県道178号を左折し約500m、左手に綿ヶ滝の駐車場があります。綿ヶ滝は手取峡谷随一の絶景スポット。落差32mの大瀑布で、滝壺そばの川岸まで降りて眺められます。崖上から川面へと垂直にドドッと流れ落ちる様は迫力満点。川岸までは岩場の急階段を降りるため、自信がない人は駐車場から150mほど歩いた展望台から眺めることができます。
●白山市下吉谷町ホ1-4

5. 白峰(しらみね)の町並み散策

手取峡谷の綿ヶ滝から約23km、旧白峰村があります。日本有数の豪雪地帯として知られ、毎年3~4m、雪が少なくなった最近でも2mは積もるという集落です。かつては白山登山の越前禅定道の経路であり、江戸時代は天領(江戸幕府の直轄地)とされた地でもあります。深い山あいのため他地域と隔絶された面もあり、独自の文化が育っています。江戸から明治期にかけて建てられた、独特の建築様式を残す古民家が軒を並べた通りはクラシックな雰囲気で見ごたえあり。2012年に重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。駐車場は総湯のすぐそばにある共同駐車場を利用します。
●白山市白峰

6. 林西寺(りんさいじ)

重要伝統的建造物群保存地区の通りにある林西寺は、泰澄大師が開いたそうです。1473年には蓮如上人の教えによって真宗寺院になりました。1863年に建てられた現在の本堂は永平寺大工が手がけたもので、欄間の龍の彫り物が見事。秘仏には白山曼荼羅などもあります。林西寺は、明治期の神仏分離令の際、白山山頂に安置されていた本地仏など9体の仏像を下山させて安置しており、白山下山仏として貴重な文化遺産を守っています。そのうち1体は国指定重要文化財の「銅像十一面観世音菩薩立像」で、体高は71cm、11世紀中頃の作といわれ、見学が可能です。
●白山市白峰イ68 tel.076-259-2041 /9:00~16時30分/火曜休(祝日の場合は翌日)/拝観料400円

7. 菜さい

白峰の散策に疲れたら一服。白峰特産品販売施設・菜さいは、山菜や堅豆腐、地元グルメ、工芸品など白峰地区の特産物を販売しています。施設内には飲食コーナーが併設されていますので、おやつがわりに特産の固豆腐料理を味わうのもおすすめです。堅豆腐の刺身400円、堅豆腐ステーキ600円、焼き油あげ450円、堅豆腐カツ650円などが単品でも用意されています。白峰観光案内所も併設しているので、白峰散策前に立ち寄って重要伝統的建造物群保存地区のマップを入手するのもいいですね。
●白山市白峰ロ64-3 tel.076-259-2588 /10:00~17:00(飲食は11:00~16:00LO)/火・金曜休

8. 白峰温泉総湯

菜さいのすぐ目の前が総湯(日帰り専用の共同浴場)で、純和風切妻屋根の外観です。泉質はナトリウム炭酸水素塩温泉(純重曹泉)で、湯上がり肌がつるつるすべすべになると評判の温泉。古くから「絹肌の湯」とも称されています。木造りに徹した館内は地元杉をふんだんに使い、木の温もりにあふれて和風情緒もたっぷり。大浴場は岩風呂とヒノキ風呂があり、週替わりで男女交代制。手取川を背にして建っており、内湯や露天風呂から美しい自然と清流が見渡せます。シャンプー・リンス・ボディソープは備え付けです。
●白山市白峰ロ9 tel.076-259-2839 /12:00~21:00(土・日曜、祝日は10:00~)/火曜休(祝日の場合は翌日)、年始年末/入浴料金670円