物語の詰まった、歴史的建造物群。
金沢市の浅野川界隈に位置する東山ひがし地区。ここは、藩政期の文政 3 年(1820)に公許・形成されて以来、その風情あふれる美しい街並みをいまに伝えています。重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に登録されており、約1.8haの地区内に144棟の建物があります(平成30年時点)。そのうちの94棟が伝統的建造物です。街並を特徴づける美しい出格子と、2階を高くして座敷を設けた独特の構造を持つ茶屋建築がいくつも立ち並んでいます。重伝建は全国に数多くありますが、茶屋街として登録されているのものは4地区しかありません。そのうちの1つがひがし茶屋街で、もう1つは、浅野川を挟んた対岸の主計町の茶屋街です。ですからこの浅野川界隈は、全国でも屈指の茶屋建築のメッカと言えるでしょう。今回は、金沢市指定保存建造物でもある「金澤しつらえ(旧諸江屋)」を参照しながら、茶屋建築の魅力についてご紹介をします。