加賀藩前田家の居城、金沢城の西側の門を復元整備
加賀藩前田家が14代にわたって居城とした金沢城。幾度かの火災などでほとんどを失いましたが、1996年から城郭の復元が加速し、菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓、河北門、玉泉院丸庭園、いもり堀などが相次いで完成。江戸時代再建の石川門と並び、堂々とした姿を見せています。さらに2020年7月、鼠多門・鼠多門橋の復元工事が完了し、これにより金沢のまちなかとの距離がぐんと身近に。金沢城公園を通り抜けての周遊観光がしやすくなりました。
加賀藩前田家が14代にわたって居城とした金沢城。幾度かの火災などでほとんどを失いましたが、1996年から城郭の復元が加速し、菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓、河北門、玉泉院丸庭園、いもり堀などが相次いで完成。江戸時代再建の石川門と並び、堂々とした姿を見せています。さらに2020年7月、鼠多門・鼠多門橋の復元工事が完了し、これにより金沢のまちなかとの距離がぐんと身近に。金沢城公園を通り抜けての周遊観光がしやすくなりました。
江戸前期に創建された鼠多門は、石垣の上に立っており2階建ての櫓を備えています。大きな特徴は壁の色。江戸時代から残る石川門のなまこ壁の目地は白色ですが、こちらは黒漆喰です。いわゆる「ねずみ」色ですが、このような黒っぽいなまこ壁は全国でも珍しいということ。また、なまこ壁の漢字は「海鼠」で、目地が盛り上がり海に棲む生物のなまこのような形だから。生き物に例えるなんて昔の人もユーモアたっぷりですね。
門の復元には、当時と同じ材料、工法を用いて建造しています。ここに続く木造の鼠多門橋も同様で、使用した木材のうち7割が能登ヒバなど石川県産。鼠多門の櫓は内部見学(無料)も可能で、2階には説明パネルなどが設置されています。鼠多門・鼠多門橋へは、尾山神社の境内を抜けて入る方法と金沢城公園内の玉泉院丸庭園の横から門に進む方法があります。 鼠多門・鼠多門橋を含む金沢城公園は4月~11月まで毎日ライトアップ(日没~21時、入園無料)をしているので、夕食後の夜の散策にもよさそうです。季節ごとのイベントライトアップも見逃せません。
クギを使わずに建てた木組みの木造軸組工法がよくわかる2階
目地が黒く盛り上がったなまこ壁。一般的には白く盛り上がる
金沢のシンボル的存在の石川門を代表に、三十間長屋や石垣など金沢城には江戸時代からの貴重な遺構がたくさん残っています。それに加え新しい城郭が順次復元整備され、見どころが満載。次は二の丸御殿の復元整備を目指すということです。ここで、金沢城公園内の城郭の一部を紹介します。
3年4ヶ月をかけて2001年に復元された菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓は、二の丸御殿を守るための施設。石落しや鉄砲狭間などを備えており、内部見学(入館320円)が可能。2010年には金沢城の実質的な正門だった河北門を復元整備しており、こちらも門の2階に入る(無料)ことができます。2013年に再現された玉泉院丸庭園は、池泉回遊式の優雅な大名庭園。庭園を一望する休憩所玉泉庵では、お抹茶(菓子付で720円)が楽しめます。これらは当時の姿そのままに復元しており、1788年再建の石川門とともに前田家の栄華を今に伝えています。
菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓。中央の五十間長屋の長さは約90m
およそ130年ぶりに往時の姿がよみがえった河北門
庭の高低差が約22mと立体的な造りの玉泉院丸庭園
金沢有数の桜の名所で春は満開の桜に映える石川門
ねずみたもん・ねずみたもんばし
TEL:076-234-3800(石川県金沢城・兼六園管理事務所)
住所:金沢市丸の内1-1
時間:鼠多門入館は9:00~16:30(最終入館は〜16:00)
休日:無休
料金:無料
駐車場:周辺有料駐車場利用
鼠多門・鼠多門橋ができたことで、尾山神社から金沢城公園、兼六園までの散策がとてもスムーズになりました。金沢城公園を抜け、石川門をくぐって兼六園に向かう途中。左手にある坂を紺屋坂といいます。加賀では古くから染色が盛んで、藍染めを行う人たちを紺屋と呼びました。ここには、加賀藩の御用染商の屋敷があったことから、紺屋坂と呼ばれています。この途中、箔一兼六園店があります。金沢箔の様々な商品に触れられるだけでなく、金箔ソフトなども販売している人気のお店です。ぜひ、お立ち寄りください。
箔一 兼六園店
金沢市兼六町2-10(紺屋坂)
TEL:076-260-0891
営業時間:午前9:00~午後5:00
年中無休(1/1のみ休み)