大正ロマンを代表する叙情あふれる画家
美人画で知られる詩人画家、竹久夢二は明治17年(1884)、岡山県に生まれました。独学で絵の世界に入り、数え年18歳で上京。雑誌などに寄稿することから始め、画家やグラフィックデザイナーなど、大正時代に幅広く活躍。上目使いではにかむきゃしゃな女性や憂いのある表情としなやかなしぐさの女性など、独特の美人画が目を引いた人気作家でした。
夢二は美人画ばかりではなく、本の装丁や挿絵の制作、商品パッケージやラベル、便せんや封筒、祝儀袋、半襟や浴衣柄などのテキスタイルデザインも手がけました。51歳で亡くなるまで、詩や挿絵などを描いた著書57冊も発表しています。 夢二は画壇には属さず、ヨーロッパの雑誌や美術書から時代を読み取り、常に自分らしい個性や感性を磨いていたそうです。
ここ金沢湯涌夢二館では、今の時代でも色あせない、むしろ先端を感じる夢二のデザイン画や美人画などを企画展示。金沢湯涌温泉はかつて夢二が滞在した地でもあり、常設展示では夢二を取り巻く3人の女性を軸に、人となりも紹介しています。
竹久夢二の年表を展示するエントランス
1階常設展示室の入口。2階は企画展示室になっています
竹久夢二のデザインを利用したグッズを販売するショップ