2020.01.05

伝統と革新のデザインで注目を浴びる希少伝統工芸~加賀水引~

伝統と革新のデザインで注目を浴びる希少伝統工芸~加賀水引~

水引の今昔ストーリー

 2017年より加賀水引にはかつてないブームが起こっています。JTのテレビCMで取り上げられた水引の髪飾りがきっかけでした。「創ってみたい」という声が一気に広まり、結納の需要も伸びています。加賀水引の老舗「津田水引折型」の五代目津田六佑さんを訪ねました。

 水引とは、和紙をこより状にして水糊を引いた紙紐です。基本は、贈り物を白い和紙(檀紙)で「包む」、水引であわじ結びに「結ぶ」、贈る人の気持ちを一筆「書く」の3つです。

 その起源はどこにあるのでしょう。「聖徳太子の時代、小野妹子が持ち帰った品物に紅白の紐が結ばれていたのが始まりという説。その後の日中交易で海賊や災難を退ける魔除けの意味や、未開封の印、日中の関係が続くよう願う縁結びの意味が生まれたなど諸説あります」と津田さん。贈答品に水引を結ぶ慣習は小笠原流礼法によって高貴な階級のマナーとなり、水引折型が一般に公開されたのは明治後期。そして今から約100年前、小笠原流礼法を学び、水引を芸術の域に昇華させたのが加賀水引の創始者、津田左右吉氏です。

水引折型のデザインを美しく豪華に

左右吉氏は、折型をふっくらと立体的にし、これに応じて水引細工も造形的にしました。あわじ結びを応用して鶴、亀、松竹梅の吉祥を表現したのです。フォルムや用途に合わせ、書も美しく変化させました。

「水引折型で大切なのは、気持ちを言葉ではなく包み方で伝えるという日本的な奥ゆかしさ。初代が芸術的な水引折型を創案したことで気持ちをより強く表現できるようになったと思います」。左右吉氏はさらに、いろいろな色の水引がほしいと和紙の産地に出向き、その際に細工の折り方を教えました。今の主流となっている水引折型はこうして全国に広まったそうです。

現在、水引は小物や装飾品などの用途が広がり、工芸イベントへの参加も増えています。「それでも、水引の本質を伝える表現を心がけています」と五代目は語っていました。

そんな伝統ある加賀水引は、ここ津田水引折型で体験(1~2時間)も楽しめます。ピアスやイヤリング、ネックレス、ブローチなどキュートなアクセサリーを作ってみましょう!

香袋 水引巾着袋

ピアスやヘアピンなどのアクセサリーも種類豊富

加賀水引細工 2代目の作品

美しい水引きは地道な手作業により生まれます

 また、金沢では婚礼時の結納品に豪華な水引を施すことが多いのですが、その一式を長町にある金沢市老舗記念館で見ることができます。ここは藩政時代から続く薬種商の建物を利用、店の間を復元し、町民文化を紹介している施設です。その2階では、金沢の婚礼模様として加賀水引による華やかな結納品を展示しています。加賀水引の参考に見学してみてはいかがでしょうか。●金沢市老舗記念館 tel:076-220-2524/金沢市長町2-2-45/入館料100円

 

加賀水引 津田水引折型

TEL:076-214-6363
住所:金沢市野町1-1-36
時間:10:00~18:00(土曜は12:00まで)、体験は平日のみ
休日:日曜、祝日
料金:体験は1000円~、4名以上12名まで。要予約
駐車場:4台