日本を代表する哲学者、西田幾多郎
日本で最初の哲学書である『善の研究』を著した西田幾多郎。その名を聞くと、京都の銀閣寺近くにある「哲学の道」を思い浮かべる方も多いかもしれません。京都大学の教壇に立ち、「西田哲学」とよばれる独自の体系を築き上げた彼のふるさとは、ここ石川県。美しい日本海に面したかほく市に生家跡があります。『善の研究』のもとになったのは、旧制第四高等学校(現在の金沢大学)で教鞭をとっていた頃に書いた論文や講義ノートだといわれています。
彼の生家は代々庄屋を務めた豪農でしたが、父の破産や肉親の死など、その人生には多くの苦難がありました。哲学の道を追求する彼の大きな原動力となったのは、苦境や孤独、悲哀だったのかもしれません。金沢から足をのばして、思索に明け暮れた偉大なる哲学者の原点を訪ねてみましょう。