洗練された花街で和の情緒を満喫
金沢市を一望する標高約141mの卯辰山。その山裾に位置するひがし茶屋街は、もっとも金沢らしい情緒を残す界隈のひとつで、今でも「一見さんお断り」の格子戸のお茶屋が点在しています。花街としての始まりは文政3年(1820)で、加賀藩公認の茶屋街でした。格式の高さや洗練された芸は、京都の祇園と並ぶほどで、金沢の三茶屋街のなかでも格上とされていました。
茶屋街を歩くと、出格子の木造住宅が軒を連ねています。ここは、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されていますが、現在はほとんどがショップなどに利用されています。ただ、夜になると軒先の提灯にぽつぽつと灯りが入り、芸妓さんとすれ違うことも。三味線や太鼓の音も漏れ聞こえ、花街の雰囲気が伝わります。