2019.09.05

菓子木型を展示する、金沢菓子木型美術館を訪ねて

菓子木型を展示する、金沢菓子木型美術館を訪ねて

老舗和菓子店「森八」に伝わる木型

石川・金沢は全国の中でもお菓子の消費量が常に上位にランクされています。かつて、加賀藩前田家が幕府に対して反逆心がないことを裏付けるため、茶の湯や能楽、季節の祭りなど、文化面に力を入れたことがそもそものきっかけでした。

金沢を代表する和菓子店、森八の創業は寛永2年(1625)。明治44年(1911)に中宮家が引き継いで100年以上が経っています。加賀藩前田家のお抱えの和菓子店として、長きにわたり金沢の菓子文化を築き上げてきた老舗です。看板商品でもある落雁「長生殿(ちょうせいでん)」は日本三大名菓のひとつといわれ、これは加賀藩3代藩主前田利常の命で作られ、茶人・小堀遠州が名付けた由緒あるお菓子なのだとか。

森八本店に併設する「金沢菓子木型美術館」では、そんな江戸時代から受け継がれてきた菓子の木型を見ることができます。館内には、大小1000点以上の木型が時代ごとに並び圧巻。サイズやデザイン、使用する菓子の種類など多彩で、鶴や亀、季節の花々などのさまざまな木型があります。ひときわ大きな鯛の木型もあり、これは金沢のひな祭りに飾られる金花糖のもの。加賀百万石の菓子文化の奥深さが味わえます。

美術館アプローチはまるで木型のトンネルのよう

前田家の家紋、剣梅鉢(けんうめばち)の木型も

菓子木型を使って、落雁手作り体験

森八本店の2階では、落雁手作り体験もできるのでチャレンジしてみましょう!
一式用意された箱の中には、材料となるもち米の粉と和三盆に水飴を加えた粉が用意されています。これは、「長生殿」と同じ材料ということでした。

体験手順としては、

(1)まずは、板を使って粉のかたまりをほぐしながらもみ込み、粉をしっとりとさせます。この工程は、あまり時間をかけると粉が乾いて固まってしまうため、手早く行います。

(2)次は、打ち粉を振った型に粉を入れ、指で押し固めます。

(3)均一に粉を押し固めたら、型の持ち手を浮かせてコンコンと軽く叩くと、落雁が型から外れます。

(1)もち粉の粘りがつなぎの役割なので、粉をもむ工程は大切 !

(2)粉を型にこんもりとかぶせて、ギュッギュッと指で押して…

(3)お抹茶とともに一服♪自分で作った落雁は格別の味わい

(4)つくった落雁は専用箱に入れてお持ち帰り

材料は約2回分あるので、次はもっとうまく早くできそうですね。所用時間は約40分。

完成した落雁は、茶寮で抹茶とともに味わうことができます。食べる分をお皿にのせ、残りは持ち帰り用の小箱へ。作りたての落雁はふんわりとした口どけとともに優しい甘みが広がります。

金沢菓子木型美術館

かなざわかしきがたびじゅつかん

TEL:076-262-6251
住所:金沢市大手町10-15
時間:9:00~17:00/体験は10:00~と15:00~/森八本店は9:00~18:30
休日:無休(1月1日・2日は休み)
料金:美術館入館200円/落雁手作り体験1,296円(抹茶、入館料込み)、2日前までに要予約
駐車場:13台