高品質で独創的なクラフトビール
近年、クラフトビールが人気を集めています。クラフトビールとは小規模な醸造所(ブルワリー)で造るビールのこと。工芸品や職人技を意味する“クラフト”という言葉からも連想されるように、造り手のこだわりやプライドを詰め込んだ個性的な味わいが魅力です。
実はクラフトビールの流行は初めてではありません。20年ほど前、地ビールが一大ブームを巻き起こしたことを覚えている方も多いのではないでしょうか。1994年の酒税法改正で少量製造が可能となり、全国各地にブルワリーが誕生しました。その地域でしか飲めないという珍しさから人気を集めましたが、流行はほどなく終息。それは醸造技術が未熟な造り手が多く、品質が人気に追いついていなかったためでした。
ブームが下火になった後も、こつこつと技術を磨いて生き残ってきたブルワリーがあります。こうした実力派たちのビールが再び脚光を浴び、品質や独自性をより追求したクラフトビールとして注目を集めるようになったのです。
製法や酵母の違いによって、ビールの種類は数百にもおよびます。これをざっくり分けると、上面発酵のエールと下面発酵のラガーの2種類に。エールは「ヴァイツェン」「スタウト」などフルーティーな香りとコクのある味わい、ラガーは「ピルスナー」「ドゥンケル」など喉ごしがすっきりとした飲みやすさが特長です。それぞれのブルワリーの多彩な味わいを楽しんでみましょう。