宝円寺(ほうえんじ)
加賀藩祖、前田利家が信頼の厚い大透圭徐(だいとうけいじょ)禅師を招いて創建しました。利家の葬儀もこの寺で行われたほど前田家とのつながりは深く、代々藩主一族の位牌を安置する前田家菩提寺です。五代綱紀の時代には「北陸の日光東照宮」と呼ばれ、絢爛豪華な伽藍を誇っていましたが、明治元年(1872)の火災で焼失、その後再建されました。境内には、利家の自画像と髪を納めた小さな御影堂・御髪堂があり、山門や本堂などは国の登録有形文化財になっています。最近は開かれた寺として、ヨガや英会話など、多彩なジャンルのイベントを開催しています。境内自由。堂内拝観500円、9時~16時(法要日は不可)。
住所:金沢市宝町6-14/TEL:076-231-6050
珠姫の寺 天徳院(たまひめのてら てんとくいん)
三代利常が正室珠姫の菩提を弔うため創建しました。珠姫は、慶長4年(1599)に将軍徳川秀忠の次女として誕生。わずか3歳で江戸から加賀藩に輿入れし、24歳で亡くなるまで徳川・前田両家の融和に尽くしました。珠姫の母は織田信長の姪にあたり、織田・徳川の血筋を引く珠姫は、当時の日本で相当セレブなお姫様だったと言えるでしょう。政略結婚でしたが利常との夫婦仲はよく、実父である将軍秀忠に「参勤交代中の夫を早く国元に帰してほしい」という手紙を出したというエピソードも残っています。寺では珠姫の生涯を紹介する、からくり人形の上演も行われています。堂内拝観500円、9時~16時30分(季節により変動あり)、無休(冬期の水曜と年末年始は休)
住所:金沢市小立野4-4-4/TEL:76-231-4484