藩主から庶民までが親しんだ加賀宝生
能楽は14世紀に生まれた世界最古の舞台芸術。ユネスコ無形文化遺産にも登録されている、日本が誇る伝統芸能です。 金沢は古くから能楽が盛んなまちとして知られます。大名や武士の間で愛好されていた能楽ですが、加賀藩では庶民にも能楽を奨励したことでその裾野が広がりました。金沢に伝わる「空から謡(うたい)が降ってくる」という言葉は、庭師や大工が高い場所で仕事をしながら謡を口ずさんでいた様子を表したもので、能楽が暮らしに根づき、とても身近な存在だったことがうかがえます。現在も金沢では宝生流(加賀宝生)が盛んで、市民に広く親しまれています。