13代藩主の母のための優美な居宅
兼六園に訪れたなら併設して立つ「成巽閣」にぜひ立ち寄ってみましょう。成巽閣は、加賀前田家13代・前田斉泰が、母・隆子(真龍院)の隠居所として、文久3年(1863)に造営したもので、明治3年(1870)まで母・隆子(真龍院)はここで過ごしたそうです。 加賀の工人だけで造り上げた見事な御殿は、敷地約6610平方メートル、建坪約990平方メートル。一つの建物に武家書院造りと数寄屋風書院造りを取り入れ、各所にさまざまな工夫を凝らしており、女性が暮らすことを意識した優雅な空間が広がっています。