2018.05.05

深みのある焼き色が美しい金沢桐工芸

深みのある焼き色が美しい金沢桐工芸

華やかな蒔絵を施した桐火鉢

かつて冬の暮らしに欠かせなかった火鉢。加賀百万石の城下町金沢では優美な蒔絵を施した桐火鉢が重宝され、嫁入り道具のひとつでもありました。 桐が使われたのは、ほかの木材に比べて発火点が高く耐火性があり、軽量で持ち運びが容易であるため。明治20年代になって、加賀蒔絵の大家・大垣昌訓(おおがきしょうくん)が桐火鉢に蒔絵を施す技法を編み出し、木目と蒔絵の美しさが調和した金沢の桐火鉢は全国で評判となりました。 桐といえば白木の箪笥などを思い浮かべますが、金沢の桐工芸は表面を焼いた黒い肌、美しく浮き出た木目を特徴としています。桐を焼くのは木目を際立たせ、汚れを目立ちにくく、蒔絵を引き立てるためだとか。

現代の暮らしに寄り添うモダンアイテム

桐火鉢を発祥とする金沢桐工芸。近年はお盆や一輪挿し、インテリアなど用途の幅を広げ、現代の生活に合わせた多彩な品々が生まれています。 大正2年(1913)創業の岩本清商店は、今では数少なくなった金沢桐工芸を受け継ぐ1軒。蒔絵をワンポイントにあしらったトレーや、木目を生かしたシンプルな器など、モダンで普段使いしやすい商品が並びます。伝統の技を活用した上質なアイテムは、暮らしと心に豊かさをプラスしてくれるはず。かつて身近だった火鉢のように、日常に寄り添い続ける伝統工芸です。

ころんとかわいいまんまる夏火鉢

ちょこっとトレー。お菓子と器をのせて

岩本清商店
いわもときよししょうてん

TEL:076-231-5421
住所:石川県金沢市瓢箪町3-2
時間:10:00~18:30
休日:火曜(祝日の場合は営業)