華麗なる百万石文化が息づく庭園
兼六園は、水戸の偕楽園、岡山の後楽園と並び日本三名園に数えられています。始まりは、加賀藩5代藩主前田綱紀(つなのり)が、延宝4年(1676)に建てた別荘・蓮池亭(れんちてい)です。この建物をきっかけにその周辺を庭園として整備しましたが、宝暦9年(1759)の大火で一部を焼失。その後、11代藩主治脩(はるなが)が翠滝と夕顔亭、内橋亭を造営し、12代藩主斉広(なりなが)の頃、「宏大、幽邃、人力、蒼古、水泉、眺望」の六勝を兼ね備えているとして、時の老中松平定信が兼六園と命名しました。現在の形が整ったのは13代藩主斉奏(なりやす)の頃。5代から13代まで実に180年という歳月をかけて作庭された名園なのです。曲水や池、築山などを配した公園の敷地は約11万㎡。園内は起伏に富み、およそ8000本の樹木が彩りを添え、四季折々に訪れる人の目を楽しませてくれます。年数回行われるライトアップも必見です。