2018.04.16

加賀藩の歴代藩主が愛した大名庭園~兼六園~

加賀藩の歴代藩主が愛した大名庭園~兼六園~

華麗なる百万石文化が息づく庭園

兼六園は、水戸の偕楽園、岡山の後楽園と並び日本三名園に数えられています。始まりは、加賀藩5代藩主前田綱紀(つなのり)が、延宝4年(1676)に建てた別荘・蓮池亭(れんちてい)です。この建物をきっかけにその周辺を庭園として整備しましたが、宝暦9年(1759)の大火で一部を焼失。その後、11代藩主治脩(はるなが)が翠滝と夕顔亭、内橋亭を造営し、12代藩主斉広(なりなが)の頃、「宏大、幽邃、人力、蒼古、水泉、眺望」の六勝を兼ね備えているとして、時の老中松平定信が兼六園と命名しました。現在の形が整ったのは13代藩主斉奏(なりやす)の頃。5代から13代まで実に180年という歳月をかけて作庭された名園なのです。曲水や池、築山などを配した公園の敷地は約11万㎡。園内は起伏に富み、およそ8000本の樹木が彩りを添え、四季折々に訪れる人の目を楽しませてくれます。年数回行われるライトアップも必見です。

四季の風情に彩られる庭園美

兼六園のシンボル的存在といえば、霞ヶ池のほとりにたたずむ徽軫灯籠(ことじどうろう)です。2本の脚で立つ石灯籠で、琴の絃を支える琴柱に似ていることから名づけられました。この霞ヶ池からの高低差を利用した噴水がすぐ近くにあり、こちらは日本最古の噴水。自然の水圧で約3.5m吹き上がりますが、霞ヶ池の水位によって変わるそうです。兼六園には霞ヶ池ともう一つ瓢池があります。兼六園の始まりとなった蓮池亭があった場所にある池で、池の中ほどがくびれているためこう呼ばれています。大小2つの島が浮かび、池の奥には翠滝が流れ落ちています。ほかにも、唐崎の松、雁行橋、雪見橋、山崎山など見どころ満載。園内には抹茶が味わえる茶室の時雨亭をはじめ、お茶・食事・土産を揃える茶店も点在。休憩しながらゆっくり回りましょう。

藩政末期、金沢城内に水を引くための試作の噴水だという

兼六園発祥の地、瓢池

5代藩主綱紀の別荘を平成12年に再建した時雨亭

時雨亭では抹茶とお菓子(720円)で一服できる

兼六園

けんろくえん

TEL:076-234-3800
住所:石川県金沢市兼六町1
時間:7時~18時(10月16日~2月末日は8時~17時)
休日:無休
料金:入園300円