美しく繊細な、小さな工芸品
毛針とは、魚釣りの疑似餌として使われるもので、針に羽毛などを付けて虫のように見せかけます。毛針は主に鮎釣りなどに使用されますが、ここ金沢では藩政時代から作られており、金沢ならではの技術が発達、加賀毛針と呼ばれています。 藩政時代から変わらず、今も手仕事で加賀毛針を作り続けるのは目細八郎兵衛商店です。加賀藩では武士の修練として鮎釣りが奨励され、縫い針を製造していた目細八郎兵衛商店はその針を応用。反しがない針に水鳥の羽毛や金箔を使って緻密な技巧や工夫を施し、水中でキラリと輝く昆虫に似せた毛針をつくったのです。明治23年(1890)の「第3回内国勧業博覧会」に加賀毛針を出品し、褒状を受賞。全国に加賀毛針の名が広まったそうです。