2017.11.15

湯涌温泉〜金沢の奥座敷。新旧の文化が溶け合う湯のまちへ〜

湯涌温泉〜金沢の奥座敷。新旧の文化が溶け合う湯のまちへ〜

加賀藩主が愛した山あいの隠れ湯

金沢市中心部から車でおよそ30分。のどかな山あいに湯けむりを上げる「湯涌温泉」は、9軒の宿がたたずむ静かな温泉地です。開湯は今から1300年前、養老2年(718)のこと。一人の農夫が湯だまりで羽を休める白鷺を見つけたことが、この温泉の始まりだと伝えられています。かつて加賀藩主の湯治場だったという由緒ある湯涌温泉。大正時代には画家・竹久夢二が最愛の人、笠井彦乃とともに逗留するなど、多くの文人墨客に愛されてきました。豊かな自然の中にどこかノスタルジックな雰囲気を漂わせるのは、この温泉街に刻まれた美しい記憶のせいかもしれません。一方で近年、アニメ「花咲くいろは」の舞台となったことで新たな魅力も発揮しており、聖地巡礼に訪れるファンが絶えません。アニメの中で描かれた架空の祭り「ぼんぼり祭り」を実際に開催するなど、温泉街あげての地域おこしが話題を集めています。

湯涌温泉

湯のまち風情を楽しみながら散策を

小ぢんまりとした温泉街は、ぶらりと散策するのに最適です。温泉街の奥に静かに水をたたえる「玉泉湖」は、四季折々の風景が目に鮮やか。湖畔には「氷室小屋」がたたずんでいます。これは、加賀藩が冬季に貯蔵した雪を旧暦6月1日(現在の7月1日)に将軍家に献上した慣わしをもとに復元したもの。1月末に氷室の仕込み、6月末に氷室開きの催しが行われます。大正ロマンの画家・竹久夢二の作品などを展示する「金沢湯涌夢二館」、藩政時代の民家を移築公開する「金沢湯涌江戸村」など、歴史や文化を肌で感じられる施設もぜひ立ち寄りたいもの。そして一番の楽しみが温泉です。共同浴場として地元の人にも親しまれている「総湯 白鷺の湯」には足湯も併設しており、上質な湯を存分に堪能することができます。

湯涌温泉

総湯 白鷺の湯

そうゆ しらさぎのゆ
TEL:076-235-1380
住所:石川県金沢市湯涌町イ139-2
営業時間:7:00~22:00(足湯は9:00~21:00)
定休日:第3木曜定休
入浴料:380円