2023.10.20

城下町金沢を鎮守する古社~金沢五社めぐり~

城下町金沢を鎮守する古社~金沢五社めぐり~

加賀藩前田家ゆかりの金沢五社

金沢には古来信仰されてきた数多の神社があります。その中でも、江戸時代、加賀藩前田家が金沢の鎮守として手厚く保護した5つの神社は「金沢五社」と称され、それらを参拝する「金沢五社めぐり」が行われてきました。

金沢五社とは「安江八幡宮」「小坂神社」「宇多須神社」「椿原天満宮」「神明宮」で、神仏混交ではない生粋の神社でした。いずれも今なお地域で信仰の拠り所となっており、古社ならではの伝説スポットや歴史的な社殿なども魅力。それぞれご祭神も異なることから、5社を巡れば、たくさんのご神徳がいただけそうです。

金沢駅近くの「安江八幡宮」や、ひがし茶屋街にある「宇多須神社」、にし茶屋街そばの「神明宮」は、繁華街で交通の便が良く、気軽に立ち寄ることができます。「小坂神社」と「椿原天満宮」は市内中心部から離れています。タクシーや路線バスの利用になるので、参拝する場合はあらかじめルートを確認しておくのがベターです。(※写真は宇多須神社の節分祭の様子。金沢芸妓が舞を奉納します。)

 

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安江八幡宮 -やすえはちまんぐう-

創建は天慶2年(939)。江戸時代に、加賀藩主や大聖寺藩主(共に前田家)に崇敬されました。火防や病気平癒の祈願が行われ、社殿の修繕や祭器具を寄進されています。
金沢には「加賀八幡起上り」という赤い着物の赤ちゃんを模した郷土玩具があり、子どもの誕生に贈る伝統的な縁起物となっています。これは、この神社の氏子の発案で、ご祭神である応神天皇が誕生されたときに、深紅の産着を着けられていたことにちなんだと伝わっています。
さらに、同じ境内に、安産の神様、水天宮が祭られていることから、安産や子宝祈願の社として信仰を集めています。

TEL : 076-233-3688
住所 : 石川県金沢市此花町11-27
駐車場 : 15台

境内に堂々と鎮座する大きな加賀八幡起き上がり

境内に堂々と鎮座する大きな加賀八幡起上り

奉納された加賀八幡起き上がりがアートのように並ぶ

奉納された加賀八幡起上りがアートのように並ぶ

金沢市指定の保存樹、樹高20mのクスノキがそびえ立つ

金沢市指定の保存樹、樹高20mのクスノキがそびえ立つ

金沢駅から徒歩約5分、境内拝観は無料

金沢駅から徒歩約5分、境内拝観は無料

 

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小坂神社 -こさかじんじゃ-

養老元年(717)創建ですが、中世に度重なる戦火で社殿を焼失。それを加賀藩前田家3代利常が寛永13年(1636)に再興しました。生活全般を守護してくれる春日四神を祭っており、「春日さん」と親しまれています。
約100段の階段を上がると荘厳な拝殿が目の前に現れ、脇から垣間見える本殿は17世紀後期の貴重な遺構として金沢市の有形文化財になりました。また、幣社の富士社は利常の正室、珠姫の病気祈願所で、病平癒の信仰を集めています。
なお、階段の参道に並行して、一の鳥居をくぐる参道があります。これは駐車場へと続いており、若干狭いですが、車で上がっていくことが可能です。

TEL : 076-252-7891
住所 : 石川県金沢市山の上町42-1
駐車場 : 10台

格式ある本殿は金沢市指定有形文化財建造物

格式ある本殿は金沢市指定有形文化財建造物

本殿内にある小坂獅子の一対の獅子頭

拝殿内にある小坂獅子の一対の獅子頭

境内社には稲荷社や天神社がある

境内社には稲荷社や天神社がある

卯辰山への入口付近に鎮座する

卯辰山への入口付近に鎮座する

 

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宇多須神社 -うたすじんじゃ-

養老2年(718)の創建です。慶長4年(1599)、金沢城の鬼門の方角にある同境内に、加賀藩前田家2代利長が社殿を建てて、初代利家を祭り、藩の祈祷所としました。5代綱紀が疱瘡に罹った際にも祈祷が行われ、ゆかりのご神水「酒湯(ささゆ)の井戸」が境内にあります。
延享3年(1746)、卯辰山に鎮座していた毘沙門を遷座してから、「毘沙門さん」が通称となりました。
ひがし茶屋街のすぐそばにあり、節分祭には芸妓衆が舞いを奉納し、豆まきを行ってひときわ華やか。また、この社で挙式をしたカップルが茶屋街で花嫁道中をすることもあり、運が良ければ見られるかも。

TEL : 076-252-8826
住所 : 石川県金沢市東山1-30-8
駐車場 : 15台

2月3日の節分には芸妓衆が踊りを奉納する宇多須神社

2月3日の節分には芸妓衆が踊りを奉納する宇多須神社

前田家の家紋がいっぱい。お祓いや参拝も受け付けている

前田家の家紋がいっぱい。お祓いや参拝も受け付けている

忍者があちこちに潜んでいるので気を付けて!

忍者があちこちに潜んでいるので気を付けて!

利常公酒湯の井戸は境内の奥にある

利常公酒湯の井戸は境内の奥にある

 

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椿原天満宮 -つばきはらてんまんぐう-

天満宮の名の通り、京都北野天満宮のご祭神、菅原道真を勧請して、永仁5年(1297)に創建されました。学業成就のご神徳から、多くの受験生が合格祈願に参拝します。
天正年間(1573~1591)に加賀藩が祈願所とし、城郭の鎮守と定めました。その後、加賀藩前田家2代利長によって社殿が移され、「椿原山」と称されるこの高台に落ち着きました。町名の「天神町」や神社横の「天神坂」は、この社に由来し、長きにわたって地域の中心であったことが伺われます。
また「椿原山」は戦国時代に一向一揆(1488~1582)の砦だった歴史的な遺跡。合図の狼煙を上げた場所とされる「狼煙の松」が残されています。

TEL : 076-231-3827
住所 : 石川県金沢市天神町1-1-13
駐車場 : 10台

合格お守りが人気の椿原天満宮

合格お守りが人気の椿原天満宮

本殿に向かって左手に菅原道真の石碑が立つ

本殿に向かって左手に菅原道真の石碑が立つ

椿原天満宮の奥にひっそりと佇む椿原山砦跡

椿原天満宮の奥にひっそりと佇む椿原山砦跡

赤い鳥居をくぐって階段を上るとお稲荷さんの社

赤い鳥居をくぐって階段を上るとお稲荷さんの社

 

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神明宮 -しんめいぐう-

最強の太陽神、天照大神と五穀豊穣を司る豊受大神を奉る、悪事災難厄除けの社です。境内でまず目に入るのはご神木の大ケヤキ。樹齢1000年と伝わり、樹高33m、幹周7.83m、枝幅25mとそのスケールは圧倒的。この樹皮を納めた「千年樹守」はこの神社ならでは。ご神木パワーがいただけそう。
また、春季と秋季の例大祭「あぶりもち神事」は加賀藩前田家2代利長が奨励したと伝わり、300年以上の歴史があります。これは、御幣形の餅を串刺しにしたものを祭って家のお守りにしたり、それを炙って食し、身体の厄を払うというもの。例大祭は5月と10月の15日~17日。あぶりもちを求める人で賑わいます。

TEL : 076-241-1613
住所 : 石川県金沢市野町2-1-8
駐車場 : 10台

パワースポットとして知られる神明の大けやき

パワースポットとして知られる神明の大けやき

地元からは「おしんめいさん」と呼ばれ親しまれる神明宮

地元からは「おしんめいさん」と呼ばれ親しまれる神明宮

おみくじを大けやきの前に結んでパワーをいただこう

おみくじを大けやきの前に結んでパワーをいただこう

大けやきの前にしめ縄を張った「願かけお願い石」がある

大けやきの前にしめ縄を張った「願かけ願い石」がある