ひがし茶屋街にある懐華樓は、築約200年となる江戸時代後期の貴重な建物で、金沢市指定保存建造物です。間口6間(約10.8m)、奥行き12間(約21.6m)という、金沢で最も大きな茶屋建築であり、その規模が格の高さをうかがわせます。夜はお茶屋のしきたり通り、「一見さんお断り」のお座敷となりますが、日中は見学処として公開されています。豪華な造りの客間や高貴な群青の間、きらびやかな黄金畳の茶室など、お座敷遊びの華やかさが実感できる造りになっています。金沢の書家や画家、工芸作家の作品がしつらえに取り入れられているのも見どころを、ご案内しましょう! ※春や秋は外国人ゲスト向けのお座敷体験「Geisha Evenings® in Kanazawa」が開催され、その日は館内公開がありません。お出かけの前に、同館のオフィシャルサイトで、見学が可能な日を確認してくださいね。
内部見学可能な金沢最大級のお茶屋を拝見~懐華樓~
見学は2階から。入ってすぐの階段を上ります。階段の幅は約120cmというゆとりある広さ。つややかな朱色はインパクト大!全面、輪島塗という贅沢な仕上げです。

2階は客をもてなすお座敷です。遊興に徹した空間なので、住居のように押し入れなど収納のない間取りが特徴。写真は「朱の間」。取材日は「Geisha Evenings® in Kanazawa」の当日だったので、芸妓の舞やお座敷太鼓が披露される金屏風のステージと観客席が設けられていました。

「朱の間」は鮮やかな朱色の壁と、壁色に合わせた赤の畳縁に彩られたあでやかな空間。鴨居には、「金沢の最後の文人」と称される細野燕台(えんだい)の風雅な額が掛けられています。

2階の「群青の間」は、落ち着いた群青色の壁で、格式高い貴賓室。ふすまには淡い色調で芸妓の姿が描かれています。手がけたのは地元の洋画・水墨画家、蔦健三氏です。この日は、石川県の婚礼で用いられる「花嫁のれん」も飾られて、いちだんと優美な趣に。

2階の離れ。芸妓が化粧直しや三味線の調弦を行う控えの間として使われています。ふすまを閉めると、金沢の篆刻家、北室南苑氏の力強い書が現れて印象的。

2階から1階へ裏階段を下りると、左手に中庭が見えます。ちょうど、しだれ梅が見ごろを迎えていました。「一木一石一灯籠」のシンプルな庭園ですが、外壁に沿った橋の欄干は、なんと兼六園の花見橋。平成元年(1989)に架け替えられた際、古い橋の一部が移築されました。

まばゆいばかりの「黄金畳の茶室」。イ草の代わりに、金箔を巻いた水引を編み込んだ畳が敷き詰められています。金箔の国内生産においてほぼ100%を占める金沢らしい趣向です。金の茶釜と水指は九谷焼作家、北村隆氏の作品。

建物から直接出入りのできる「内蔵(うちぐら)」があります。漆喰仕上げで耐火性の高い昔ながらの土蔵で、現在はおみやげのショップになっています。
.jpg)
懐華樓オリジナル手ぬぐいなどのグッズや加賀手まりや水引などの金沢の工芸品が揃うショップの内。

おみやげに人気の「宴遊盃」1万7000円は山中塗。大きさが少しずつ違う盃が6つとサイコロ1個のセットです。6つの盃には桜花が1つから6つ描かれています。サイコロを振って出た目と同じ数の桜花の盃で酒を飲むという粋な遊びの器です。入れ子になっているので携帯しやすく、野外での宴会にもぴったり。

カフェ「サロン・ド・テ・懐華樓」では、金箔や抹茶をたっぷり使った和スイーツが味わえます。写真は「黄金抹茶パフェ」2970円。金箔で覆われたゴージャスな一品。抹茶の風味濃厚なアイスに、ふわふわのクリーム、棒茶ゼリーや白玉など、食べ進むのが楽しいパフェです。抹茶は金沢の老舗茶舗、野田屋茶店製。

囲炉裏を配した和モダンなカフェは30席。店内には江戸時代の地下貯蔵庫「石室」を見ることができるコーナーも。

懐華樓 かいかろう
TEL:076-253-0591
住所:石川県金沢市東山1-14-8
時間:10:00~17:00
休日:不定休 料金:見学750円、喫茶利用の場合はプラス440円で見学可
駐車場:なし
※見学およびカフェの営業日や時間は、イベントなどで変更があるため、オフィシャルサイトで要確認







